2024年11月24日に久多のかや刈りイベントを開催し、無事終了いたしました。
今年は前日から雨が続き、かや刈り当日も降ったり止んだりを繰り返すすっきりしない空模様でした。
それでも当日は集まった十数名でパワフルにススキを刈り、藁でまとめて立ててを小さな山をつくっていきます。最終的には4つの山ができあがり、ついでに景観保全も含め近場の草刈りを行い見立めもだいぶすっきりしました。
ところで「かや刈り」や「茅葺き屋根」というけれど、茅(かや)っていったい何なのか?
結論から言うと茅という植物は存在しません。【すすき・ヨシ・かりやす・かるかや・しまがや・ちがや】などイネ科の草の総称を"茅(かや)"といいます。
その辺に生えているカヤで屋根を葺いて十数年して劣化してきたらまた新しく葺き替えが必要になります。今のご時世、屋根の葺き替えもなかなか高価で経済的にしんどい、ということで茅葺屋根の上からトタンをかぶせてメンテナンス費用を浮かせようとするお家も多く見られます。
確かに経済的なしんどさがついて回りますが、他の視点で見てみると古い屋根は腐り始めて田畑の肥料になり、断熱性能も優秀で夏は涼しく冬は暖かく、雨音は草屋根がやさしく吸収するのでトタンのような騒々しさもなく、家の囲炉裏の煙が屋根の防虫防腐を促進し、と良いことも非常に多い優秀な素材です。
現代の多くの建築と違っていわゆる建築廃材というものが存在しない屋根なので、サステナブルという意味でも極めて優秀です。
時代も変わり昔のようなカヤ刈りをしている人やその姿も見ることもだんだんとなくなってきましたが、良い文化は残せていけたら良いなあと思います。
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